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2010年1月末に休止。ありがとうございました。
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▽前回までのあらすじ
ネタ無しで1週休んだけど良い案も思いつかないから
もっと後で出す予定だった3人組の設定を変えて出すことにした。

▽登場人物紹介
中島康孝(ナカジマ ヤスタカ)
└ 主人公。あだ名はヤス。
中島友恵(ナカジマ トモエ)
└ 康孝の双子の妹として下界に潜り込んだ人助けの神の使い
浜松大門(ハママツ ダイモン)
└ 巨漢で腕っ節も強いが面倒くさがりやなので運動部には入らなかった。
  柳沢と同じく友恵目当てで助っ人部に入部。
浜松大門の作中での呼称対応表↓
人物名呼ぶ場合呼ばれる場合
大西寺巫女大西浜松君
堂路文香先生大門君
侍の幽霊面識なし


以下省略!


人助けの男 第12話「クレーンクレーン」



「起立ー、礼。」
 間延びした学級委員の声で今日の学校での一日は終わる。
 さぁて、今日は部活も無いし、そのまま家に帰るか。
「あ、ちょっとあたし用があるからさ。一人で帰って。」
 友恵が俺に言った。別にいつも二人で帰る約束をしてるわけではないのだが、友恵がやってきてからいつも登下校は一緒だった。もちろん帰る家が一緒だからだが。
「なんだ、用って。珍しいな。」
「あたしだって普通に人間として生活してるんだから、野暮用の一つや二つぐらいあるわよ。それじゃ。」
 そういうと友恵はさっさと教室を出て行ってしまった。するとそれを見ていたのか柳沢が不思議そうな顔で近寄ってきた。
「あれ?友恵ちゃん、今日は一人で帰るのか!?ヤス、お前なんかしただろ!?」
「してねーよ。なんか用があるんだとよ。」
 まぁ柳沢の言いたい気持ちもわかる。周りから見れば俺と友恵はほぼ毎日一緒に登下校している仲良し兄妹だ。それが今日、突然一緒に帰らなくなったら誰だって不思議がるだろう。
「ま、いーや。待てよ・・・・ってことはヤス!今日は友恵ちゃんのことを気にせずに遊べるんじゃないか!」
「いや、まぁ・・・・そうか?」
「ゲーセン行こうぜゲーセン!お前も久しぶりだろ?・・・・・・ん?なんで久しぶりなんだ?お前と一緒に何度かゲーセン行った記憶はあるのに、お前と友恵ちゃんはほぼ毎日登下校一緒にしてたはずだし・・・・?」
 そりゃそうだ。友恵が来る前は一人で帰るか友達と帰るかだったんだから。いくら記憶を操作したとしても矛盾が生じるのは仕方ないんだろう。
「どうでもいいだろ、そんな些細なこと。とりあえず行こうぜ。」

 しかし本当にゲームセンターに行くのは久しぶりだ。
 よく柳沢とゲームセンターに行っていたが、友恵が来てからというもの全然行けなかった。まぁ、いろいろあったせいで行こうとすら思わなくなっていた訳だが・・・。

 ━ゲームセンター・ツクモ━
 このゲームセンターは学校から歩いて10分の商店街の中にある。学校から比較的近いためうちの学校の生徒もよく見かけるので気楽に来れる場所だ。
「最近来てなかったからなぁ、柳沢は行ってたのか?」
「まー、時々だぜ。主に金銭的余裕のある日限定だけどな!」
「誰と来てたんだ?大門はゲームやらないし、一緒に行くとしたらあいつらか?」
 などと話をしているとクレーンゲームコーナーから驚いたような声が聞こえてきた。
「「「あああああああああ!!?」」」
 それは聞き覚えのある声だった。たった今話題に上げようとしていた〝あいつら〟だ。
「なんだなんだ?行ってみようぜ!」

 クレーンゲームコーナーに行くとそこにはクレーンゲームの中に入っている景品のぬいぐるみを見ながら阿鼻叫喚している〝あいつら〟がいた。
「ハッ!?ヤスじゃねーか!来た!これで勝てる!」
「久しぶりだな!しかもナイスタイミングだろ!」
「間違いねぇ!今日のラッキープレイスはこのゲームセンターだったんだ!」
 この3人組は俺達と同じクラスで、通称〝ガ系魔法トリオ〟三田河(ミダガワ)降坂(フリサカ)相賀(アイガ)だ。
 入学して数日経ったある日、とある先生が「三田河」を〝サンダガワ〟と読んでしまい、クラスのゲーム好き(ってか柳沢)から〝サンダガ〟とあだ名を付けられそれがクラスで定着した。それから三田河と中の良い「降坂」と「相賀」に、〝ブリザガ〟〝ファイガ〟のあだ名が付き、晴れてトリオが誕生したのである。しかし、降坂がブリサガはまだわかるが、相賀からファイガというのはかなり無理矢理な気がする。しかし3人ともそれなりに気に入っている用でみんな気軽に呼んでいたりする。中には数人だけだが、女子もそのあだ名で呼ぶこともある・・・・。
 ・・・・ちなみにあだ名の元ネタは某有名RPGである事はお分かりだろう・・・。
「・・・・で、どうしたんだよ、そんなに大声出して。」
 話が横道に逸れたのでとりあえず何があったのかを3人に聞いた。
「いや、それがな・・・・。このハローキチィの人形あるだろ。昨日がんばって取ろうとしてたんだが結局金が尽きてあきらめたんだよ。そんで今日また来たら・・・・!」
「サンダガ・・・・、それ以上はいい・・・。見ればわかる・・・・。」
 中には〝ハローキチィ〟の人形の上に何のキャラクターだかわからない所謂〝お邪魔人形〟が大量に被さっていた。まさに「これはひどい」という状況だ。
「うわー、こりゃひでえなぁ。ってかお前らそんな趣味あったのか?」
「バッ・・・!ちげーよ柳沢!プレゼンツ!プレゼンツに決まってるだろ!?」
 何故複数形なのかわからないが、ともかく今柳沢に応答したファイガはそういうやつだ。先ほど、〝ラッキープレイス〟云々言っていたのはコイツである。
「サンダガの奴がさ、ほら、好きな子に上げたいんだってよ。」
 今言ったのは降坂だ。こいつはあだ名はブリザガなのだが、あまりそう呼ばれない。こいつもお調子者なのだがトリオの中では比較的冷静で勉強もそれなりにできる上、眼鏡を掛けているので何となくあだ名で呼びづらいのだろう。現に俺も大体は降坂と呼んでいる。あだ名で呼ぶのはトリオの他の2人や柳沢ぐらいだ。
「っつー訳でさ、頼むぜヤス!お前のクレーン捌きでゲットしてくれ!頼む!」
「何で俺が・・・・。最近やってないんだぜ?」
 俺はクレーンゲームが得意でそのことはサンダガ達も知っている。だからこうして頼まれているのだが・・・・。
「もちろん金は出す!どうしても〝ハローキチィ〟の人形を上げたい人がいるんだよ!下手な俺がやるよりお前に頼んだほうが確実だろっ!」
「っつってもなぁ・・・・。もし失敗したら悪いしさ。それに人形くらいならどっかのお店で売ってるんじゃないか?」
「あれはゲーセンのクレーンにしか無い特別品らしいんだよっ!なっ!頼むぜ~・・・・。」
「なぁヤス。サンダガもここまで言ってるんだし承諾してくれよ。それにお前確か助っ人部の部長だろ?俺たちに手を貸してくれ!」
 ぐっ・・・・、ここでそれを言われるとは予想外だった。やはり降坂は侮れない。
「まぁ・・・・・いいよ。やってやるよ。」
 これも人助けのうちに入るだろう・・・・。今この場に友恵はいないが、あいつが以前話した喜びのエネルギー収集の説明によれば〝俺が俺に感謝している人の近くにいる〟のが条件ってことらしいから、この場に友恵がいなくてもエネルギーは貯まるはずだ。

「よし、お金は大量に両替してきたぜ。始めよう!」
「待てサンダガ。この台、500円が使えるじゃんか。」
「ん?つっても入れる手間が省けるだけだろ?」
「よく見ろ、100円で1PLAY、500円で6PLAYって書いてあるだろ!」
「「「な、なんだってーーー!!」」」
 おいおい、本気で気づいてなかったのかこの3人は・・・・。降坂もこういうことは気がつかないのか?
「気づかなかったぜ・・・・、じゃあとりあえずこの500円玉で始めてくれ。100円玉は・・・・」
「あ、俺が500円玉に変えてくるわ。たしかそういう両替機があったはずだしな。」
 そう言ったファイガが両替機に向かったところで俺は500円玉を投入した。
「まずはこの邪魔な人形をどかす必要があるな・・・・。」
「どうすんだ?ヤス。まさか一個ずつ取るんじゃないだろうな。」
「まさか。そんな効率の悪いやり方はしないって。」
 こういう場合は一気に狙いを定めるのが常勝テクニックだが、肝心のハローキチィ人形はかなり埋もれているので数回は邪魔処理に専念しなければならないだろう・・・・。
 クレーンを動かし目標物の上に乗っかっている小さい邪魔人形に狙いを定めて・・・・・・
「よしっ、一個取れたぞ。」
「おいおい、それは効率悪いんじゃなかったのか!?」
「まぁまずは感覚を取り戻すためにだからさ。もいっちょ・・・・。」
 今度は先ほどとは違うイルカっぽい(微妙にイルカじゃない)人形が取れた。
「さすがだなヤス!久しぶりのくせに2連続でゲットじゃねーか!」
「うまいな・・・・、なにかコツがあるのか?」
「コツっていうか・・・俺の場合は経験だな・・・・、中学時代にやりまくったから。」
 中学時代に親がゲームセンターを経営している友達がいてそいつのコネでよく練習させてもらっていた。今でもそいつとは交流があるが・・・・・・まぁネタに困ったらいずれ登場するだろう。

 そして1枚目の500円玉を使い切ったところで邪魔人形が4つ取れた。ファイガもいつの間にか戻ってきている。
「大丈夫なのか・・・・!?」
「まあまあうまく処理できたと思う。ただやった感じ、クレーンのアームがやや弱く設定されてるっぽいな。小さい邪魔人形はともかくあの中くらいのサイズのハローキチィ人形を持ち上げるのは難しそうだ。」
「え、じゃあ取れねーの!?」
「そうじゃないって。持ち上げなくても人形は取れるんだぜ。・・・・まあこの場合、目的の人形が深く埋まってるからちょっとは持ち上げないとダメなんだが・・・・」
 俺は今見えているハローキチィ人形の頭を掴んで上に持ち上げてみた。だが開いたアームが邪魔人形に辺り人形は再び埋もれてしまう。
    ・
    ・
    ・
    ・
    ・
(゜Д゜`;)「これ以上クレーンゲーム描写を続けるのはムリぽなのでお得意のカット。」
    ・
    ・
    ・
    ・
    ・
 そして何とかゲットすることができた。カットされたせいでエライあっさりしているが実際3000円近くも使ってしまった。
「よしっ!ナイス!ヤスナイス!お前に頼ってよかった!」
「すまんな、3000円も使っちゃって。まぁ俺はお前が喜んでくれてるならそれでいいんだけど・・・・。」
「それはともかくさ!サンダガは誰が好きなんだ?好きな人にそれあげるんだろ?」
 柳沢が少し声を小さくして言った。でもゲームセンター内はうるさいのでそんなに気を使わなくても誰も聞いてないと思うが。
「ほ、ほら、その、堀だよ堀!」
 顔を赤らめながらサンダガが答えた名前は、同じクラスの堀(ホリ)という女子の名前だった。堀さんは確かに人当たりも良くて人気も有るが、ああいう人間は何か裏があると思ってしまう俺はあまり良い人間とは言えないんだろう。

 クレーンゲームを終えたらすっかり疲れてしまったのでもう帰ることにした。まぁ、十分楽しんだから良しとしよう。
「じゃ、またな!」
「ああ、また学校でな。」
 3人組とわかれた俺と柳沢は駅で電車に乗った。柳沢は俺より4駅早く降りるのでそこからは俺一人だ。
 俺ん家の最寄の駅に降りて歩き始めると、ふと見た方向に例の堀さんがいた。この近くに住んでるんだろうか?
「しかし・・・噂をすれば何とやら・・・・だな。」
(何とやらって何でござるか?)
 ・・・・・・たぶん〝影〟なんだろうが、それだと意味が違ってくるので〝何とやら〟にしておいてほしい。
 堀さんは男の人と一緒に歩いていた。他校の制服を着ているのでどこかで知り合ったのだろう。楽しく談笑をしているところを見るとデキていると見て違いない。・・・・残念だったなサンダガ。
 車道を隔てた向こう側にいるので、しばらく様子を伺っていると男のほうがゲームセンターの入り口においてあるクレーンゲームで遊び始めた・・・・。
 車のエンジン音で何を言ったかわからないが、台の中の人形を指差していたので「これ欲しいんだ」とでも言ったのだろう。しかもそれは例のハローキチィである。おそらくサンダガはそのことを知っていてどうしても入手したかったんだろうが、これはまずいな・・・・。俺の努力とサンダガの3000円が無駄に・・・・・・・・なった。
 堀さんの彼氏らしき男はいとも簡単にキャッチし、人形を落とした。良い配置だったこともあるが、かなり悔しい。
(う~む、例の堀さんとやら、かなり喜んでるでござるね・・・・。サンダガ殿が可哀想だ。)
 侍さんもさっきの一部始終を見ていたのですっかりサンダガ殿とか言ってるが、これはあまりにもあんまりだ。
 先に手に入れたのに、先を越されたという何とも不幸な・・・・。
「まぁ、あの男が堀さんの彼氏だとしたら、かなり前に先を越されてるんだけどな・・・・。」
 俺はポツリとそう呟いて家路についた。帰ったらテレビでも見よう・・・・。


≪ヤマ無し、オチ無し、意味無しな話であった。≫

  >>第13話に続く                                               
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