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▽主要登場人物紹介
中島康孝(ナカジマヤスタカ)
└ 私立丘科高等学校に通う一年生。この話の主人公。
  友恵のせいで一週間に一度、何か人助けをしないと死んでしまう。
中島友恵(ナカジマトモエ)
└ 中島家に潜伏している人助けの神の使い
  容姿は康孝曰く「中の下」らしい。

▽物語の舞台(裏設定だから本編には関係なし)
私立丘科高等学校(ワタクシリツ オカカ コウトウガッコウ)
└ 主人公の通う丘科高校は架空の市、活尾武(カツオブ)市の中心にあり
  活尾武市全体を通っている私鉄活尾武線の丘科駅から徒歩10分だ。
  その通学の便の良さから、活尾武市の学生たちはこの高校に集まりやすいのである。


人助けの男 第5話「新設!助っ人部(前編)」



「あんたもっと人助けしなさいよー。」
自分の部屋で漫画を読んでいると突然友恵が部屋に入ってきてそう言った。
「なんだよ、急に。ってかどこ行ってたんだ?日曜の朝っぱらから。」
「今月からあるのよ、総会が。」
「総会?なんのだよ。」
「あたしが出る会っていったら人助け神の総会に決まってるでしょ。」
そんなムスッとした顔で堂々と言われても困る。
大体、総会っていうほど大規模なものなのか?大袈裟だろう。
「それで・・・、なんで不機嫌なんだ?」
そう言うと友恵は「あんたのせいよ」と言わんばかりに俺を睨み付けてきた。
「あのね・・・・、今日総会で月に一度の成績発表があったのよ。」
友恵が何を言わんとしてるのか大体わかった。
どうせ人助けの成績が悪いとかそういう話だろう。あえて口は挟まないが。
「それで、私たちの成績は先月と今月半ばまでで喜びエネルギー7つでしょ。」
「まあそうだな。一週間に一度のペースで母さんの手伝いとかしたりしてるから。」
「少ないのよっ。全体で5位よ!5位!」
5位ってなかなか良いんじゃないか、とは思ったが
大体俺は人助けの使いの絶対数を知らないので迂闊に口が出せない。
「全体で何人いるんだよ、それ。」
「27人よ。それで8人いる同率5位のうちの一人。」
「ええ?いいじゃんかよ。それとも友恵さんはもっと俺に働けと言うんですか。」
「その通り!あたしの面子にかけてもっとエネルギーを稼いでもらうわよっ。」
「面倒くせぇなオイ・・。」
てめーの面子なんて知るか!と言いたい所だが、険悪なムードは避けるのが俺の処世術。
ちょっと反抗する程度に収めておく。
「あ、ちなみに4位がエネルギー8、3位が10で僅差なのよ。ちょっとがんばればすぐに上位は狙えるわ。」
「へぇー。それぐらいならやってもいいけど。」
「ただ、驚くべき結果なんだけどね・・・。」
「何だよ・・・?」
「1位は52もエネルギーを稼いでたのよ!」
Ω Ω な、なんだってーー!!
(おもわず康孝殿と一緒に驚いてしまったでござるが、それは驚くべき結果ですな。)
「普段喋らないから存在忘れてたよ・・・侍さん。」
「あたしはいつも見えてるから、そんなことはないけど・・・ってそうじゃなくて。」
しかしこの約一ヶ月半で52もエネルギーを集めたとなると相当なものだ。
どんだけ意欲的なやつなんだと感心すらしてしまう。
(どうやって52ものエネルギーを集めたでござるか?)
「そういうのは公開されないのよ。すべては人助けの神に献上したエネルギーの個数で決まるから。」
「じゃあ1位は無理だな。あきらめるか。」
「とりあえず2位が目安だけど・・・、あたしは1位が狙いなのよ。」
「だって52だぞ。ほぼ毎日人助けしてもこの約一ヶ月半で52行くか?」
「次の総会は2月の第三日曜日だから、それまでにジャンジャン稼ぐのよ。毎日2個ペースとかで。」
「なんでだよ。そんなに人助けできりゃ苦労しないって。」
「なんであんたはそう意欲がないのよ!一番上を目指そうとは思わないのっ!」
「そんな意欲があるんなら帰宅部なんかやってねーっての。」

「・・・待って、あんた帰宅部なの?」
急に友恵が静かになって俺に問いかけてきた。
「ああ。知らなかった?」
「・・・・良いこと思いついたわ。ふふふふふ・・・」
何か嫌な予感がするが、何をするかわからないのでその時はあまり言及しなかったが・・・

≪―――次の日の放課後―――≫
「さ、部員を集めましょう!」
「は・・・、何の?」
「何って・・・、助っ人部のよ!」
「はぁ!?」
まさかこんな事を言い出すとは・・・・・・。
助っ人部って何だよ、助っ人部って・・・。そんなのに入りたがる奴なんているのか?

「入る入る入る!その助っ人部とやらに入ってやるぜ!!」
・・・・この男がいたか。もちろんそいつは柳沢だ。
友恵がホイホイ誘ったら速効で食いついてきた。
何故か柳沢は友恵に〝ぞっこん〟なので「どんなエサでも釣られてやるクマー」と言わんばかりに食いつく。
「柳沢お前、確か軽音楽部だろ!」
「いや、軽音楽部の幽霊部員だ!いてもいなくてもかわんねーだろ!だから俺は助っ人部に入るぜ!」
「はい、これで3人ね。それじゃあとはクラブ宣伝用の張り紙を作って張りましょうか。」
「ちょっと待てよ友恵。大体助っ人部ってどんな活動するんだよ。」
「え・・・、名前でわかりなさいよ。助っ人をする部活に決まってるでしょ!」
「いいねぇ、その献身的な姿勢!さすが友恵ちゃんだ!」
「柳沢、お前ちょっと静かにしろ!ってか先生に許可はもらったのか!そんなに簡単にクラブが作れると思ってるのか!」
「あーら。あたしにそれ言っちゃうんだ。」
・・・・そういえばこいつはこの学校の色々な人物の記憶を弄って無理矢理編入してきたんだった。部活動1つ新設するぐらい造作もない事なのかもしれん・・・。
「でもなぁ!部室はどうするんだよっ。この高校は部活の種類が多いから空き教室なんてないんだぞ!」
「・・・1つなくなりそうなクラブあったわよね。」
「え・・・・。」
「あー!バスケ部でしょ!3年が卒業するってのに下級生が一人もいないから廃部直前って言われてるやつ!」
柳沢がすかさず反応した。そういえばそんな話も聞いた気がする。
「ね?そのバスケ部を[ピーー]して無くして、そこに助っ人部が入れるように手配したわけよ。」
「お、お前なぁ・・。来年の新入生がバスケ部入りたがってたらどうするんだよ。」
「潰れそうな部活に入りたがるような物好きはいないわよ。それに、バスケットボール部から助っ人部になるなんて、ちょっと洒落が効いてると思わない?」
柳沢はまるで肩叩きマシンの如く首を振って頷いているが、そんな洒落っ気は要らない。
「それでね、部員が最低でも6人必要なんだって。あと3人必要なのよ。」
「それこそ[ピーー]して部員を集めりゃ良いじゃないか。」
「ダメよ。もしその人が助っ人部に入ったのがきっかけで人生が変わっちゃったら責任がとれないもの。そういう事象が起こりうるような事で[ピーー]は使っちゃいけないのよ。」
「えーと・・・、さっきから言ってる[ピーー]って何なのさ?」
柳沢が突然口を挟むが、友恵が「気にしないでね」と言うと本当に気にならなくなった様子で「友恵ちゃんがそういうなら」と言ってニヤニヤ微笑んだ。
友恵の存在が柳沢の人生を変えちゃってるんじゃないのかという疑問はさて置いて、どうやら友恵は助っ人部を本気で新設しようとしているらしい・・・・。
もちろん俺は既に部員として数えられているので、逃げることはできない。
なんか友恵が来てからというもの、事の流れに流されている気がする。
「それじゃ今から教室で宣伝張り紙作りましょ。」

(ここなら誰もいないから拙者も手伝えるでござるな!)
誰もいない放課後の教室で俺にとり憑いている侍さんが姿を現した。
「わ!あの時の侍の幽霊!!」
柳沢がビックリしているが、自分の中で存在を認めているようで、変に取り乱したりはしていない。
「まぁ、時々出現しなきゃ空気だしね。じゃ、4人で作業しましょうか。」
この後4人で作業をし、先生に許可をもらった(と友恵が言っていた)いくつかの場所に張り紙を張って帰宅した。
しかし3学期始まって部活に入ろうとするやつは果たしているのか?
新入生もあんまり期待できそうに無いし、このまま助っ人部がお流れになればいいなぁなんて思っているが・・・。

(結局、拙者は空気でござったよ・・・・。)

  >>第6話に続く                                               
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