2010年1月末に休止。ありがとうございました。
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世界中に生息する様々なモンスター。
それらは人類を脅かす存在であり、また人類の生活の糧になる存在でもあった。
これはモンスターと戦うことを選んだ一人の青年の物語である。
(※当小説は大人気ゲーム〝ポケットモンスター〟と
〝モンスターハンター〟を混ぜた2次創作小説です。)
(※完全にパラレルワールドなので
原作のイメージを大切にしている方は閲覧をお控えください。)
※シリアス分多目です。シリアスと言っても尻もassも関係ありません。
それらは人類を脅かす存在であり、また人類の生活の糧になる存在でもあった。
これはモンスターと戦うことを選んだ一人の青年の物語である。
(※当小説は大人気ゲーム〝ポケットモンスター〟と
〝モンスターハンター〟を混ぜた2次創作小説です。)
(※完全にパラレルワールドなので
原作のイメージを大切にしている方は閲覧をお控えください。)
※シリアス分多目です。シリアスと言っても尻もassも関係ありません。
ポケットモンスターハンター 第2話「1番道路のラッタ」
18歳になり、ハンターの資格を取るべくトキワシティへ向かったサトシ。
父親の形見の武器を持ち、新しく用意した、まだ綺麗なハンター用防具を装備し、
2人のハンターに守られながら、トキワシティへの道を突き進んでいく。
「サトシくんはマサラタウンの外に出た経験は?」
『まだ親父が生きてた頃に数回だけ・・・・・・。』
「そうか。ならここ、1番道路に生息してるモンスターも知ってるわけだ。」
マサラタウンとトキワシティを繋ぐ道、通称1番道路。
なぜ、この道が1番なのか。ウワサでは全国の道路に番号を付けた人物が
マサラタウンの出身だったという話があるが、定かではない。
『コラッタなら見たことがあります。でもあまり恐れるような種じゃないですよね。』
「まぁ、コラッタぐらいはな。だがそれはある程度経験を積んだハンターが言うセリフさ。まだまだ新米にすらなってないキミはコラッタと対峙した時も気を抜くんじゃないぞ。」
「おいおい、どんなモンスター相手にも気を抜いちゃいけないだろっ。」
ハンターの一人がもう一人に突っ込みを入れる。この2人はもう3年間もマサラタウンに駐在して町を守っているハンターだ。一人は背高ノッポ、もう一人は少し腹が出ている小太り。よくある・・・・というのもなんだが、そういうコンビだ。
今、俺と喋っていたのがノッポの方、ヘイジさん。
突っ込みを入れたのが小太りのコウスケさんだ。
「コラッタだって十分、人を殺せるんだぜ。小さい成りに油断した新米ハンターがあの前歯でグッサリいかれたなんてのはよく聞く話だ。まぁ、それで死んではいないだろうけどな。」
「コースケ。あんまりサトシくんを怯えさせんなよ?・・・・まぁ、向こうも人間を怖がってるだろうから、刺激さえしなきゃ襲ってこないさ。」
『そういうもんですか?他のモンスターと戦っている時に不意打ちを打ってきたりするらしいですけど。』
「そりゃあ、その場所がコラッタの縄張りだったんだろうな。縄張りを荒らされて怒らないモンスターはいないだろ?」
それはそうだ。もし人間の住む町でモンスター同士が戦っていたら、どちらのモンスターにも攻撃を加えるに違いない。
「それと・・・・コラッタ以外にもこのあたりにはポッポが生息してるな。奴らは比較的無害なモンスターだが・・・・成長すると人も襲ってくるようになる。まぁ、この辺りには好戦的なモンスターは生息してないから、刺激さえしなければ大丈夫さ。」
ヘイジさんが言った。確かにこの辺りに生息するモンスターは比較的安全かもしれない。
だが父さんはここ、1番道路でモンスターに致命傷を負わされ、死んでしまった。
新種・・・・・・新種のモンスター。3年前に新種とされていたそのモンスターだが、
未だにその筋の学会でも未確認の種として扱われている。
なんせ、親父が死んだ一件からその後、発見されたという報告が無い上に、
俺の親父含む、目撃者の証言では雷を纏っているモンスターだった、というぐらいの情報しかない。
誰にも言っていない・・・・母親にすら言っていないが、俺がハンターになろうとしたのは
最終的にこの新種、親父を殺したその個体を見つけ出し、親父の仇をとるためだった。
・・・・・・シゲルにはお見通しだったみたいだが・・・・。
マサラタウンを出て30分ほど歩いた頃、近くから何か声が聞こえてきた。
「ヘイジ、聞こえたか今の声。誰かがモンスターと戦ってんぞ。」
「この辺りはもうトキワに近いからなぁ。トキワのギルドで受けた依頼でモンスターを狩りに来てるんじゃねーか?」
『この辺り・・・・って、それほど町に近いわけでもないですよね。それなのにわざわざモンスターを狩りに来ることってあるんですか?』
「ん?そうか。マサラタウンにギルドは無いもんな。仕事の内容を知らなくても無理はないか。」
「ハンターの仕事ってのは何もみんなの安全を守るだけじゃないのさ。モンスターを狩ってそれを食料にしたり、毛皮を売ったりすることもある。まぁ、ハンターに与えられるのは狩ったモンスターのほんの一部だけどな。あとはギルドが各地の研究所に回したり、依頼の内容がモンスターの毛皮だったりして、依頼主に受け渡されたりな。ハンターの手元には狩ったモンスターの一部と依頼主から支払われた報酬金が残るってわけだ。」
このことを聞いて俺は少し驚いた。
俺の知っているハンターは町を守るハンターしか知らなかったからだ。
そもそも見たことのあるハンターが親父と、この2人だけだった。
「あとはそうだな・・・・。薬とかの調合につかう素材を採集する依頼もある。その採集の最中にモンスターに襲われることもある。そういう場合、逃げてやり過ごすか、倒してしまうか、両方の選択肢がある。」
「採集の場合は大抵逃げちまうけどなー。よっぽど腕に自信のあるヤツか、襲ってきたモンスターが簡単に退けられるヤツじゃないと、戦おうなんて思わないだろうぜ。」
すると一人のハンターが猛ダッシュでこっちに走ってきた。
どうやらさっき声がしたのはこのハンターのようだった。
「わ!ちょ、ちょっと!逃げたほうがいいですよ!自分、今、モンスターに追われてるんです!」
かなり近くに寄ってきてから俺たちに気付いたようだった。
どうやら余程慌てて逃げてきていたらしい。
「あんた新米かい?逃げても逃げても撒けない時はちょっと痛い目見せてやる必要があるってもんだぜ。」
そう言って武器を構えるヘイジさん。コウスケさんも一緒に武器を構えた。
ヘイジさんの武器はライトボウガン、コウスケさんは俺と同じ片手剣だった。
「あっ、皆さんもハンターだったんですか!?」
「格好見りゃぁわかるだろ!こんなモンスターの生息地でハンターのコスプレしてるやつがいるか!」
「サトシくん、キミも武器を構えるんだ。だがすすんで攻撃はしなくていい。まだキミは正式にハンターになったわけじゃないからね。」
コウスケさんに言われて俺も武器を構える。
親父がずっと使ってきた片手剣だ。
片手剣はその名の通り利き腕に片手で持てるサイズの剣を持ち、逆の腕に小さな盾を装備するスタイル。
だが親父の片手剣はズシリとくる重さがあった。それは俺がまだ剣を持つことに慣れていないからなのか、元々少し重い片手剣なのか、経験の浅い・・・・浅すぎる俺にはまだわからない。
「・・・・・ちっ。アイツがキミを追ってたモンスターか・・・・。サトシくんを連れてる時に限って・・・・。」
『あれは・・・・・・茶色のコラッタ・・・・・!?』
「違う。・・・・・・あれはラッタだ。コラッタが成長した姿と言われている。」
「自分が薬草を採取してたら急にラッタが襲ってきたんですよ!簡単な依頼だって聞いてたのに・・・・!」
そうこうしている間にラッタは俺達の目の前まで来て立ち止まった。
俺を含む4人は武器を構え、臨戦態勢を取る。俺の脚は少し震えていた。
鼻息を荒げ、俺達を睨むラッタ。どうやらかなり興奮している様子だった。
「キミ、ハンターの経験は?」
ラッタから視線を逸らさずにヘイジさんが逃げてきたハンターに訊いた。
「ついさっきハンターになって、これが最初の仕事だったんです!」
「へぇ、そいつぁ不運だったな。俺達に会えたのは不幸中の幸いだな。」
「これが最初ってことは・・・・・・経験はサトシくんとそう変わらないか。俺達2人で倒すつもりでいくか。」
「それがいい。俺のボウガンで毒を浴びせてジワジワ消耗させるぞ。」
「サトシくんと、えーと・・・・キミはラッタに狙われたら攻撃を避けるなり防ぐなりすればいい。無理に攻撃すると思わぬ反撃を喰らうこともある。」
ヘイジさんとコウスケさんが動き始めると同時に俺達も動く。
と、言ってもこれが初めての戦闘だ。
ラッタの攻撃の間合いはよくわからないが、適当に距離を置いた。
逃げてきた成り立てハンターも俺と同じくラッタとの距離を取った。
彼の装備している物を見る。彼の武器も片手剣だった。片手剣は初心者には扱いやすいと言われているからだろうか。
だが熟練されたハンターが使わないというわけではない。コウスケさんを見ればわかる。
俺達4人が動くとラッタも行動を始める。
今まで襲ってこなかったのは、場が膠着状態にあったからだろう。
「援護頼むぜヘイジ!」
「任せなァ!毒毒弾を喰らえッ!!」
ヘイジさんの撃った弾丸はラッタに命中する。命中と同時にラッタが苦悶の表情を浮かべた。
「命中ッ!さすが毒毒弾だ、一発でまわり始めた!」
「動きが鈍ったな!攻めるぜ!」
コウスケさんが素早くラッタの懐に入り剣で数度斬りすぐにラッタと距離を置いた。
ヒット&アウェイ。モンスターとの戦闘では近接武器のほとんどに当てはまる戦法だ。
2人とラッタの戦いは2人の優勢でしばらくすすんでいた。
ヘイジさんが遠距離から弾丸を放ち、コウスケさんが怯むラッタに追撃を掛ける。
その見事なコンビプレーは2人の息が合っている証拠だ。
しかしラッタが狙いをこちらに定めた時、優勢は崩れた。
「くっ・・・・!サトシくん、そっちに行ったぞ!」
コウスケさんの呼びかけに反応し、ラッタの動きを見極める。
多少のフェイントを混ぜながら俺の方向に向かってくるラッタ。
だが狙いは俺だ。意味の無いフェイントには引っかからない。
俺は俺から見てラッタの右側に跳んでかわそうと体勢を取る。
――――――が、ラッタは俺の予想を上回る動きを見せた。
『ぐあぁっ!!』
「サトシくん!!」
「わっ・・・ラッタの動きが突然・・・・・・!?」
渾身の体当たりに俺の体は数メートル吹っ飛んだ。
初めて喰らうモンスターの攻撃・・・・・。痛い。
こんなにしっかりとした防具を付けているのに・・・・。
親父や他のハンター達はみんなこんな痛みに耐えて仕事をこなしてきたのか・・・・。
この一撃をもらって初めて実感が湧く。俺はモンスターと生死を賭した戦いをしているのだと。
「ちぃっ!ノーマル弾を喰らいなッ!!」
「ギャウ!!」
「サトシくん、大丈夫か!?」
『な・・・なんとか・・・・立てます。』
「あの動きはなんですか・・・・!?ラッタが突然速くなりましたよね!?」
――――――電光石火。
俺の脳裏に、昔本で読んだその言葉が思い浮かぶ。
モンスターの中には瞬発力を活かした渾身の体当たりをするものがいる、と。
そしてその素早さから、その体当たりを電光石火と称している、と。
『電光石火・・・・ですよね。』
「その通りだ。攻撃を受けて思い出したか?知識は実戦で使わなければ意味がない。さっきの攻撃はガードをして受け流すべきだった。・・・・と、まぁ、まだハンターになってもいないキミに言っても仕方ないか。」
そう言うとコウスケさんはヘイジさんと対峙しているラッタの方へ走っていった。
なんとか立ち上がった俺の横には成り立てハンターがいた。
「あ・・・・大丈夫、キミ・・・・?っていうかキミ、これからハンターに・・・・・」
『そんなこと話してる場合じゃない・・・・!キミも狙われるかも知れないんだぞ!』
「うっ・・・・それもそうだ。」
ラッタの方に目をやると多少の攻撃を受けつつも優勢に戦っている2人がいた。
そしてコウスケさんがもう何度目かの斬激をラッタに喰らわせた瞬間、
ラッタが体をブルブルと震わせながら立ち尽くした。
「おっし!ようやく麻痺ったか!」
「ナイスだコウスケ!俺のライトボウガンが電磁波弾を撃ててれば早かったんだがな。」
「逃げてきたキミ!もう薬草は取り終わったのか?」
2人に呼びかけられた成り立てハンターが2人の元へ駆け寄る。
俺も先程の痛みを抑えながら彼の後ろについて駆け寄った。
「それが・・・・途中で襲われたのでまだ達成できてないんです。」
「ヘイジ、捕獲セットは?」
「持ってきてねーな。こんなことは予想外だったし。」
「俺もだ。薬草採取してたキミも、もちろんサトシくんも持ってないな?」
「はい。」
『持ってないです。』
「しょうがねえ。討伐するか。」
「よし、離れてな。拡散弾でトドメを刺す。」
ヘイジさんが麻痺して痙攣しているラッタに狙いを定め拡散弾を撃ち出す。
拡散弾はラッタに命中したところで3つ、4つに拡散し、ラッタを中心に爆発が起こった。
「ギィィーーーーーーッッ!!!」
断末魔の叫び声を上げ、倒れこむラッタ。
その姿は俺にリアルな死という状態を教えていた。
「ふぅ・・・・終わったか。」
「イの一番に毒毒弾を撃ってジワジワ体力削ったのが効いたな。」
俺から見れば大物を仕留めたというのに2人は冷静に今の戦いを自己評価し、話し合っていた。
俺は改めて2人のことを熟練したハンターなんだと思った。
成り立てハンターは俺の隣でポカーンと口をあけていた。
「あぁ、薬草のキミ。このラッタからなんか剥ぎ取っていいぞ。」
「・・・・・・えっ!?いや、自分が狩ったわけじゃないじゃないですか!」
「良いんだよ。俺達は依頼でもなんでもないのにコイツを討伐しちまった。だからこの件はお前さんが依頼の途中に襲ってきたラッタを討伐したってことにして処理しておかないと色々とマズイんだわ。」
『ラッタから襲ってきたわけですし、この場合、正当防衛にはならないんですか?』
「ならないんだな。この場合は過剰防衛っつって、ギルドに怒られちまう。麻痺させた時点でズラかるつもりだったが、まだそこの彼の依頼が終わってないって事は再度襲われる危険性がある。だから討伐したってわけだ。」
「あ、ありがとうございます!さっき出会ったばっかりの自分に・・・・・・」
「まぁ、良いんだよ。だからラッタから適当に剥ぎ取っておけな。剥ぎ取ったもので新しい武器か防具が作れるかもしれんぞ。」
「それじゃあ・・・・」と言ってラッタから素材に使えそうな部位を剥ぎ取る成り立てハンター。
・・・・・・さっきから成り立て、成り立てと呼んでいるものの、俺はその成り立て以前なんだけど・・・・。
「それじゃあ自分は薬草の採取に戻ります。本当にありがとうございました!」
「良いってことよ。同業者なんだからさ、困ったときはお互い様ってヤツだ。」
「こっちも、良い経験させられただろうしな。なっ、サトシくん。」
『ハハ・・・・本当に。』
成り立てハンターと別れた後、
ヘイジさんに先程受けた傷を手当てしてもらい、またトキワシティへの道を歩き始めた。
そこから15分ほど歩いてようやくトキワシティが見えてきた。
ここまで戦っていた時間を含め1時間以上もかかった。
ハンターという仕事は本当に大変なんだな・・・・・・。
ハンターになる前からそんなことを考えているようでは、この先が思いやられるかな・・・・。
ようやくトキワシティに辿り着いたサトシ。
これからどんな経験をし、どんな試練を乗り越えるのか。
まだサトシのハンター生活は始まってすらいないのだ。
第二話 終
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