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世界中に生息する様々なモンスター。
それらは人類を脅かす存在であり、また人類の生活の糧になる存在でもあった。

これはモンスターと戦うことを選んだ一人の青年の物語である。

(※当小説は大人気ゲーム〝ポケットモンスター〟
 〝モンスターハンター〟を混ぜた2次創作小説です。)
(※完全にパラレルワールドなので
 原作のイメージを大切にしている方は閲覧をお控えください。)


ポケットモンスターハンター 第1話「旅立ち」



マサラタウンに住む少年・・・・サトシは18歳の誕生日を目前にしてウズウズしていた。
この世界では18歳を迎えると世間では大人と認識され、同時にハンターになる資格も取得することができる。
ハンターとは、世界中に生息し人々に害をなすモンスターの狩猟をするプロフェッショナルである。ハンターのライセンスを持っていない者の狩猟は原則的に禁止されているが、自己防衛として武器の携帯は許されている程度の制限である。
サトシはハンターだった今は亡き父親の背中を追い、18歳になったその日に故郷マサラタウンを旅立ち、隣町トキワシティにあるハンターズギルドでハンターのライセンスを取得するつもりでいた。

いよいよ明日か・・・・・・。
ふと部屋にある置時計を見た。もう23時だ。
明日は大事な旅立ちの日なのに、ウズウズする気持ちを抑えられなくてつい夜更かしをしてしまう。
さすがにもう寝ておかないとな・・・・。俺は部屋の電気を消して布団に入った。

しかし明日の旅立ちの事を考えると、どうにも目が冴えて中々眠れない。
この状態に陥ると今までの人生で体験してきたことをふと思い出してしまうものだ・・・・。


(サトシくん。わしはいつかモンスターとも解かり合えると思っておる。だからこその研究なのじゃ。)
この町に研究所を置くオーキド博士は捕獲されたモンスターの研究をしている。
世間からは変わり者として有名な博士だ。なんたってモンスターとの共存を唱えていたんだから。
唱えて〝いた〟というのは、今ではもう声を潜めているからだ。さすがにやりづらくなってきたのだろう。
俺も子供の頃は博士の言うことを信じていた。モンスターと解かり合える日がいつかきっと来ると。


(なに?電気を纏う新種のモンスターがこの付近に現れたって・・・・!?)
(大丈夫だサトシ。マサラタウンは俺が守る!もちろん俺も必ず戻ってくる。心配するな。)
(すまねぇな・・・サトシ・・・。父さんは・・・嘘ついちまったみてぇだ・・・・。でもな・・・ヤツの片目は潰した・・・・もうこの町には寄って来ねぇさ・・・。)
それが俺の聴いた親父の最後の言葉だった。
親父は元々流れのハンターでハナダシティで出会った母さんとマサラタウンに引っ越してきた。
親父は当時マサラタウンただ一人のハンターで、マサラタウンの人々に迷惑をかけるモンスターを一人で追い払ってきた。
だがその親父も3年前に新種とされるモンスターに殺されてしまった。
強くてやさしくて自慢の父親だった。尊敬すらしていた。
そんな父親をモンスターに殺されてしまった。その時から、オーキド博士の言葉を信じられなくなったんだっけ。


(なぁサトシ。お前の気持ちもわかるよ。だけどさ、全てのモンスターが悪いやつってわけじゃないんだぜ。)
(確かに俺達人間に危害を加えるモンスターはいっぱいいるよ。でもおとなしいモンスターだって中にはいるだろ。まずはそいつらから解かり合っていきたいんだ。)
幼馴染のシゲルはオーキド博士の孫だ。シゲルの父親もモンスターが原因で亡くなっている。
だがシゲルはモンスターに接する姿勢を変えようとしない。
それどころか、より一層モンスターと仲良く接しようとしているようだ。
シゲルには見つめているものがある。それはオーキド博士と同じものだ。
俺はシゲルのようにはなれない。だからこそハンターになると心に決めたんだ。


昔の事を思い出し、頭の中でその出来事を反芻しているとサトシはいつの間にか眠りについていた。そしてマサラタウンに再び朝がやってくる。
この日からサトシは18歳。世間で少年と呼ばれる歳でなくなった。
少年は青年へ。青年は・・・・・・大人へ。人間は日々成長していく。

お目目パッチリ。気分の良い朝だ。
昨夜、あれだけ眠れなかったのが嘘のように疲れは残っていなかった。
旅立ちの日には絶好のコンディションだろう。
俺は事前に用意していたハンター用の装備を身に付け・・・・・・っとその前に朝飯を食べていかなきゃな。

母さんの用意してくれた朝飯を食べ終わり、ハンター用の装備を身に付け、
・・・・・・親父の形見である片手剣を持つ。

「サトシ・・・・。やるからには一生懸命がんばりなさい。お父さんのようになれとは言わないけど。」
母さん・・・・ごめん。
「サトシ・・・・?どうしたの急に。」
いや、母さん一人残して旅立っちゃってさ・・・・。
「・・・・気にしないの。あなたにもお父さんの血が流れてるんだもの。世界中を旅して、色んなものを見て、経験して、帰ってきたくなったらいつでも帰ってきなさい。」
・・・・ありがとう。

母さんとは家の前で一時の別れの言葉を交わした。
町の外れまで見送りに来ないのは、母曰く、〝いつでも家にいるからいつでも帰ってきなさい〟ということらしい。
俺は一人で町の外れまで歩いていく。
町の外れではマサラタウン付きのハンターが待っていてくれる手筈だ。
俺の親父亡き後、トキワシティから派遣されてきた町付きのハンター2人だ。
3年前からこのマサラタウンを守ってくれている。その彼らがトキワシティまで護衛してくれるということだ。
トキワシティでハンターのライセンスを取得するまでは、ハンター用の装備を身に付けていても、まだハンターではない。
というわけで、町付きハンターの2人がモンスターの出現する可能性があるマサラ~トキワ間を護衛してくれることになったのだ。

しばらくして町の外れまでやってくると、町付きのハンター2人以外にも大勢の人が待っていた。
幼馴染のシゲル、シゲルの姉のナナミさん、オーキド博士、見慣れた町の人達。
マサラタウンは小さな田舎の町なので大体の人が知り合いだ。
だから一人の男のために大勢で見送りに来てくれる。嬉しいながらも少々恥ずかしいが・・・・。


「サトシ。どうしても行くってんなら俺は止めないぜ。まぁ、精々がんばれよ。」
昨日まで散々あーだこーだ言っておいて、どういう風の吹き回しだ?シゲル。
「ハァ。いい加減わかったのさ。お前は本気だってな。・・・・がんばれよ。俺も俺自身の夢を追いかける。お前の目標は・・・・アイツなんだろ?」
やっぱりわかっちまうか。付き合い長いもんな・・・・。
「サトシくん。私も応援してるわ。あっ、これあげるね。タウンマップ!カントー地方の地図よ!」
ありがとうございます、ナナミさん。
「サトシくん。わしも応援しとるよ。あと餞別に・・・・これをやろう。わしが今まで研究してきたモンスターのデータをまとめて本にしたものじゃ。まだ研究できていないモンスターもいるが・・・・ハンターとしてモンスターと戦うことに役立てて欲しい。」
これは・・・・ありがとうございますオーキド博士!
「がんばれサトシくん!」
「立派なハンターになれよー!」
「いつでもマサラタウンに帰ってこいよ!」
みんなありがとう!それじゃあ・・・・行ってきます!

挨拶も終わり、見送りの人達から少し離れた所で待っていた2人のハンターのもとへ駆け寄る。
「もうお別れの挨拶は済んだのか?」
はい。あれぐらいが丁度良いでしょう。
「ハハ、それもそうだ。まったくあんなにたくさんの人に笑顔で見送られるなんてお前は幸せもんだ。」

18歳になったサトシはこうしてマサラタウンを後にした。
これからの旅、一体何が待ち受けているのか。
期待や不安が混ざった感情の中、密かにくすぶっている感情がサトシにはあった。
父親の命を奪ったモンスターへの復讐心である。

第一話 終
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